今年も、娘のクラスに絵本を読みに行っています。
保護者から子供たちに発信できる数少ない貴重な時間です。
第一回目は、図書館でタイトルをみて選びました。
「あ、私と一緒の女の子だー」と思ってなにげなくページをめくっていったら…
今から150年前、砂漠だったアメリカのサンディエゴを、緑豊かな町にかえた、ある女性園芸家の壮大な実話だったのです。
女の子が手を汚すなんてもってのほかだった時代。
木や土に興味をもったケイトは古い慣習をものともせず、どろんこ遊びに夢中になりました。
ケイトは科学を勉強したくなり、女性で初めての科学者としてカリフォルニア大学を卒業しました。
卒業後は小学校の教師になりサンディエゴに赴任します。
緑が大好きなケイトは砂漠に覆われたサンディエゴを緑あふれる町にしたいと願い、
世界中の専門家に手紙を書いて、サンディエゴのような土地でも育つ木の種を取り寄せました。
種から苗木を作り、少しずつ町に苗木が植えられていきました。
彼女の地道な努力は徐々に住民の心を動かし、協力者が増えていき、長い時間をかけてやがて緑豊かな町へと生まれ変わりました。
サンディエゴは仕事で訪れたことのある思い出の場所です。
あの美しい町が昔は砂漠だったとは知らず、本当に驚きました。
誰もができっこないと思うようなことを、たった一人でも勇気をもって取り組んで、最後まで自分を信じて諦めずに成し遂げた先人の話を、子どもたちと共有したいと思いました。
読み進めていくうちに、子どもたちの瞳が輝いていきました。
自分の将来について、なんとなく考えはじめている年ごろの子どもたちです。
読みながら、一人一人がみんな自由に羽ばたいていけますようにと、強く願いました。