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映画『MINAMATA』

  • 執筆者の写真: MIDORi
    MIDORi
  • 2021年10月21日
  • 読了時間: 2分

流れとしては、鼻の手術の続編を書くべきだが... 映画「MINAMATA」を滑り込みで観て来たのでこの話題を先に。


本作は史実に基づく映画。

感想は山ほどあるのだが、「報道」にテーマを絞って書きたいと思う。 以前、仕事の合間を縫って、主人公の報道写真家ユージーン・スミスの写真展を観に行ったことがある。 水俣の写真も展示してあった。 一枚一枚に迫力と優しさと慈悲を感じ、世界を動かす写真の力を目の当たりにして感動をおぼえた。 あれはいつだったか調べたら2018年1月だった。 今なおネットで閲覧できる写真展の紹介ページは以下の一文で締めくくられていた。

情報あふれる現代社会に生きる私たちにとって、ジャーナリズムの原点をいま一度見つめ直すきっかけになることでしょう。

誰でも気軽に写真を撮れて簡単にネットにアップでき、不特定多数が閲覧できる時代。難しい操作はデバイスがやってくれるおかげで、世の中はにわか写真家で溢れている。

昨年のピューリツァー賞特別賞はフロイドさん暴行死事件を撮影した一般の10代女性に授与された。

もはやプロとアマの境界線は曖昧になったようにも思えるが、映画の中でユージーンが語るセリフはその違いを明確に示した(訳:MIDORi)。

"You cannot let your emotions run the show" 感情に流されるな。 "The Native Americans, they believed that a photograph would literally take a piece of the subject's soul, but it can also take a piece of the photographer's soul" ネイティブ・アメリカンは、写真が文字通り被写体の魂の一部を奪うと信じているが、同時に写真家の魂の一部をも奪うことができると信じている

被写体に最大限の敬意を払い、自身の感情に流されることなく撮影する。 人々の心に訴える一枚を撮るため、報道写真家は自身の魂を捧げている。

きっと想像を超える痛みと苦しみを伴うだろう。

偶然の産物ではない。

そうやって撮られた一枚はまぎれもなく別格だ。 政治や経済、教育の力では解決できない問題がある。

世界の半数以上の人々が反民主国家に住む現代において、人知れず苦しみを抱える人々をフォーカスし解決の糸口へと導くジャーナリズムはこれまで以上に必要だ。

『MINAMATA』は、混沌とした今、改めて報道の重要性を知らしめる作品だ。


※英語版トレイラーには紹介したセリフが含まれている。


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