先週の朝のNHKニュースで、谷川俊太郎氏のインタビューが放送された。
私は、随分前に谷川氏が詞を手掛けた「ともだち」という絵本に出会い、谷川氏のファンになった。
「ともだちって、かぜがうつっても へいきだって いってくれるひと」
この一節が特に心に染みた。
もし、ともだちが風邪を引いて自分にうつったとしても、ともだちのせいにはしない。
コロナ禍で、もし自分の周りに感染者が出たら、この一節を思い出そうと、心に決めていた。
2か月前、身近な人がコロナに感染し、私は濃厚接触者に認定され、家でおとなしく過ごした。
幸い、当事者は数日で快方に向かい、私は感染することはなかった。
「ともだち」が心の支えになった。
テレビで紹介されていた絵本は
「へいわとせんそう」
読んだことがなかった。
子どもにも戦争の悲惨さが伝わるシンプルな言葉とシンプルな絵。
徹底的に無駄なものがそぎ落とされている。
左側には
「へいわのハハ」「へいわのチチ」
右側には
「せんそうのハハ」「せんそうのチチ」
が、それぞれ描かれている。
同じ「ハハ」「チチ」なのに、情勢が違えば行動は全く異なることを改めて思い知らされる。
そして、
「へいわのあかちゃん」と
「せんそうのあかちゃん」
あかちゃんは、どんな時も、変わらない。
どの国にいても、立場は同じ。
社会によって守られなければならない存在。
大人たちは子どもたちの将来を第一に考えなくてはいけないのに、自分が生きている間のことしか考えない大人が世の中には増えすぎてしまった。
子どもがいる、いない、に関わらず、社会全体で子どもの将来を考えられる世の中になってほしい。 私はよく友人たちへ、娘と「斜めの関係」を築いてやってほしいとお願いしている。親が気がつかないこと、知らないことを娘へ教えてやってほしい、時には相談に乗ってほしいと頼んでいる。
「斜めの関係」というのは「オニババ化する女たち 女性の身体性を取り戻す(三砂 ちづる 著)光文社新書」が提唱している関係だ。
もっと子どもたちと「斜めの関係」を築く大人が増えれば、世の中はもっと優しくなると思う。 今年1月、数年前から通っている美容院「髪と日常」経営者の二人に、男の子が生まれた。 5か月が経ち保育園に入園したのだが、入園前は、起きていたら客が抱っこしながらドライヤーで髪を乾かしてもらうというシステムだった。信頼関係があってこそ、だ。
たまらくなく可愛いくって、「孫ができた気分」と伝えたら「子どもでもまだいけますよ~!」と言ってもらい、しばしいい気分になる。
とまあ、それはさておき、「斜めの関係」で付き合っていけたらいいなあと思う。 「髪と日常」の2人も、時々娘の相談役になってくれている。 今度は2人の赤ちゃんの成長をみんなで見守りたい。 人間関係にも循環が必要だ。 天使の笑顔がこれからもずーっと続くことを願ってやまない。