おそらく世の大半の人は外国人が自分の国の音楽を演奏することを歓迎すると思います。
私も海外のかたが日本の歌を歌ったり日本の文化に親しんでくれたらとても嬉しいです。
しかし、表現方法によってはマイナスの印象を与える場合もあります。
先日、某日本人アーティストの演奏する動画に寄せられたスペイン語のコメントを目にして愕然としました。これはぜひ日本のみなさんも知っておいたほうがよいと思い、このブログで紹介します。
ただし、引用元を明記すると動画に出ていた方を攻撃することになりかねないので明記はさし控えます。情報としての質は下がりますが、重要なのはそのアーティストのことではなく、コメントそのものなので今回はあえて不明記を選択しました。
原文を要約せずスペルミスもそのまま引用します。
””El acento español de la japonesa es horrible . Pero este tipo de gente en Japón se creen más latinos que los mismos latinos Hay que hacerle la traducción en japonés porque no lo entiende pero dice que la letra la conmueve . La gente se aprovecha de la cultura cubana para comer diciendo que la adora pero no le da créditos nunca a las raíces y sobre todo los japonés se aprovechan de ella , nunca se acercan a un cubano y crean una subcultura cubana entre ellos que no existe y la venden como cuba y que aman a cuba y nunca por lo menos en Japón los verás llamando a un cubano para trabajar . Si los llaman se unen , pero ellos nunca dan la misma posibilidad . Partía de Sorros."
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「この日本人のスペイン語のアクセントはひどい。しかし、日本ではこの手の人々は本物のラティーノより自分たちはもっとラティーノだと信じている。
彼女はスペイン語はわからないのに歌詞に感動したと言っている。日本語に訳してやる必要がある。この手の人々はキューバ文化を愛していると言いながらキューバ文化を利用して飯の種にしている。しかし、実際はキューバにルーツを持つ者を決して信用しない。特に日本人はひどい。キューバ人には決して近寄ろうともせず、日本人の間だけで実在しないキューバのサブカルチャーを勝手に創り出しそれがキューバだと売りキューバを愛しているという。しかし、日本人はキューバ人を仕事に誘うことはないだろう。キューバ人を呼んで一緒にやったとしても、(日本人と)同じようなチャンスをキューバ人には与えない。きつねの国だ」
かなり乱暴な言い方ですが、的を射ている発言だと思いました。
キューバを様々な国に置き換えることができますね。
もう大分前になりますが、初めて演奏したお店から再演のオファーをもらい、お店のライブ宣伝フライヤーに「正統派のボサノヴァ・シンガー」と書いて頂いたことがありました。とても光栄に感じ何度か自分のプロフィールにも書いたことがありましたが、ある時ふと「正統派ってやっぱりおこがましくて名乗るべきじゃない」と我に返り、使うのをやめました。それ以来、私は多言語を話すけれどもネイティブではないので、日本人として各国への敬意を忘れず常に謙虚に取り組みたいと思ってきました。このコメントを読んで、一段と想いが強まりました。 「ほんの少し現地に行ったことがあり現地の人々と演奏もしたことがある」とか、「ネイティブから教わったことがある」というだけで「我こそがその国の音楽そのもの、その国のリズムそのもの」と思っていると、前述のコメントのように間接的に現地の人々を傷つけている可能性がありますので十分な注意が必要です。
ちなみに、このコメントを書いたスペイン語ネイティブは日本在住者のようでした。 日本人相手に色々と嫌な想いをされてきたんだろうと察します。 ひょっとすると、この方は正直過ぎる方で、同意見を持っていても口に出さない外国人の方が多数派だったりするのかもしれません。
もっともっと日本在住の外国人の方々と交流したくなりました。
蔵書の中からテーマに沿った本を選んでみました。