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世界遺産ルイス・バラガン邸


2012年5月、NPOの仕事でメキシコへ単身出張した際、スケジュール調整をしてくれた友人の小児外科医夫妻から、「自由な時間ができたらMIDORIはどこに行きたい?」と訊ねられ、私はすかさず「バラガン建築が見てみたい!」と答えました。

私は大の建築好きです。

芸術の中で、音楽や写真と同じくらい好きです。

メキシコ・シティ滞在4日目。

午後の仕事が終わった時点で外はまだ明るかったので、友人が市内にあるバラガン邸に連れていってくれました。 2004年に世界遺産に登録された、Casa Luis Barragán (ルイス・バラガン邸)は1948年に建てられ、巨匠バラガン氏は1988年に亡くなるまでこの自邸で過ごしました。

玄関は通り道に面していて、うっかり通り過ぎてしまいそうなほどシンプルです。

なんと... 着いたら、閉館したばかりでした...(😢)

しかし! 私が日本から来ていて滅多に来ることができないから少しばかり入館を許可してくれないかと友人が掛け合ってくれたところ...

建築学部在学中の学生ボランティアさん二人が「じゃあ特別に私たちがご案内しましょう」と申し出てくれて、なんと、贅沢にも全館貸し切り状態になりました。もう大興奮です。 うす暗い入り口を通り抜けると... 光と色のマジックが待ち受けていました。

バラガンは窓の位置を計算し金色の絵を用いて窓から差し込む自然光をうまく反射させたり明るい色で壁面を彩ったりすることで、薄暗い場所に光をあてる工夫をしていました。

そしてさらに内部に入ると…

なんということでしょう。

冒頭で説明した通り、この家は1948年に建てられました。

今でも全く色褪せないデザインの居間です。

小泉誠さんの9坪ハウスは絶対バラガン邸にインスパイアされて生まれたに違いないと、この大窓を見たときに思ったのでした。

バラガンは敬虔なキリスト教徒で、家の随所に彼の信心深さが伝わる装飾が施されていました。

この大窓の十字もその一つだと、ガイドさんが言っていました。

効果的な間接照明や、壁や家具のラインをきっちり合わせることに拘りをもっていたそうです。木材が随所に使われているせいか、日本人にとても親しみやすい感じがしました。

見てください、この木組み!!美しい!!

「ここに住みたい」願望が沸き上がってきます。

バラガンは緑をこよなく愛し、家の至るところから緑を愛でる工夫がなされていました。

少しわかりにくいですが、壁面の装飾はいずれもど真ん中ではなく中央からずらして飾られていました。ガイドさんの説明によると、バラガンはこう言っていたそうです。


「絵は部屋の主役になってはならない。」


なるほど。考えさせられます。


屋上に出ると...

これぞバラガンの真骨頂!! 私の一番好きな色です。

友人の小児外科医、マリア先生と。


出張中はマリア先生とハビエル先生ご夫妻の家に泊まらせていただきました。

本当にお世話になりました。

お二人のご自宅も、メキシコ的な色彩の、とっても素敵なお住まいでした~🍀

メキシコの朝食、美味しかったな~💖


ちなみに、バラガン邸見学中、ハビエル先生は車中でずっと待機して下さっていました。

ハビエル先生にも感謝です💦🍀


マリア先生が「こんな素敵な場所があるなんて知らなかった。今度家族も連れてきたいわ」と仰っていました。地元住民、アルアル、ですよね~  2nd CDを作っていて、「いつかまとめよう」と思っていたこの思い出を書きたくなり、6年経ってやっと書きました…


*2021年5月6日 写真追加

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