コロナ禍で自由に旅ができない中、見知らぬ文化に触れる機会はとっても貴重。
蔵の再生繋がりの友人S子さんに誘われて、ウズベキスタン人Zさんのお宅に遊びに行った。
ZさんはS子さんの元ロシア語の先生で、レッスンをきっかけに仲良くなられたそう。
てっきり同じ世代の方かと思っていたら、大学院博士課程在籍で、驚くほど日本語がお上手だった。
去年から日本に留学中のRさんと二人で、沢山のウズベキスタン料理をふるまってくれた。
色とりどりの前菜
レーズンの奥にあるのは、なんと干しメロン!
人生初!
バナナのように甘かった!
茶器がゴージャスで、お茶がより一層美味しく感じられる。
お茶が途切れないように絶えず茶碗を気にかけ、あいたらすぐにお茶を注いでくれた。「あなたは大事な客人です」と言ってもらっているようで、こういったおもてなしの心は大事だな~と改めて思った。
ちなみに、ミントとアールグレーなど、二種類(ティーバッグでも大丈夫)を組み合わせるお茶がとっても美味しくて、あれから家でもちょくちょく真似している。
布類もカラフルで美しい。
刺繍は【スザニ】という名前だそう。
【サモサ】
そのままでも十分美味しいけど、ソースをつけても絶品!
ブエノスアイレスで大好物だったエンパナーダに似ている!
ウズベキスタンでは、窯にペタペタ貼りつけて焼くのだそう。
本場で食べてみたい!
【オリビエサラダ】
ポテトサラダに似ているけど微妙に違う。私はオリビエサラダの方が好き!
【パロー】
日本人にも絶対好まれる味!
もう一回胃袋を空っぽにしたいくらい、もっと食べたかった! ヨーグルトソースをかけて食べる。
ウズベキスタンの方々は皿に取り分けるのではなく、一皿をそのまま2人でシェアするのだそう。
食後のフルーツ盛りだくさん!
ウズベキスタン人の習慣や人々について興味深い話を聞きながらいただく料理は格別だった。 特に、砂漠の暮らしに興味と憧れを抱く私は、サマルカンド出身のZさんに聞いてみたいことが次々と溢れてきて根ほり葉ほり質問した。
ZさんとRさんの間ではウズベク語で会話されるので、何を言っているかつい知りたくなり「こう言ってた?」と推測したら結構当たっていてみなで笑った。
全くわからない言語の人々と接した経験がこれまで数えるほどしかないので(フランスと韓国ぐらい...)、無意識に理解しようと反応してしまうのかもしれない。
Zさんから「コミュニケーションの8割はボディランゲージが占めていると言われている」と聞き、納得した(Zさんの専門はまさにコミュニケーション)。
そこから言語の話題に及び、Zさんがロシア語の興味深い話をしてくれた。
ウクライナとロシア関連のニュース翻訳をした時、プーチンが良く使う表現で日本語にどう訳したらいいかわからず困ったという話だった。
「ニプーハ ニペラ」
そのまま日本語に直訳すると全く意味不明になるらしい。
プーチンは国民に対してよくこの言葉を投げかけ、言われた方は
「クチョルト」
と応えなければならないそう。
慣用表現だったら日本語の定番訳が必ずあるはずだろうから、通訳仲間にあたって調べてみるよ!と言って別れた。
帰宅してまずググってみたら、早速わかりやすい説明をみつけた。
ロシアに留学しているピアニストさんのブログで、まさにこの表現について書いてあった。
以下、ピアニスト松田華音さんのブログから引用
「ニプーハ ニペラ」を直訳すると「獣も鳥も獲れませんように!」「クチョルト」は「地獄へ落ちろ!」ロシアでは、成功を言葉にすると、私たちの周りに潜んでいる悪霊に邪魔をされると考えられています。そんな悪霊を欺くために、逆の事を言葉にして、悪霊に邪魔をさせないようにする、すなわち成功を祈るのです。 ですから、「Ни пуха ни пера!(ニ プーハ ニ ペラー!)」と声をかけられた方も、うっかり「ありがとう」などと御礼を言ってはいけません。猟に出かけるのに、何も獲れませんようにと言われているのですから、怒って当然、同じようにひどい言葉で「К черту!(ク チョルトゥ!)」、地獄に落ちろ!と返さなければならないのです。
「声をかけられた方も、うっかり、ありがとう!なんて御礼を言ってはいけません」というのが実に面白かった。地獄におちろ、だなんて…
はて、英語だとどんな訳になるんだろう?と思い、ブログに書いてあったロシア語を英語翻訳にかけてみたら、「Break a leg!」と出てきた。なるほど!そういうニュアンスなのね。
とすれば、「脚を折れ!」って言われたら、Thanks!って返すより、ロシア語の返し方の方が理にかなってる気もする。
興味は尽きない。
味覚と視覚、そして知的好奇心が一杯刺激されたとっても楽しいひと時だった。
ZさんRさん、そして声をかけて下さったS子さん、素敵な一日をありがとうございました💖