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A CASA DO TOM(トムの家) No.1


家や故郷を歌う名曲を集めた2nd CD「HOME」にはAntonio Carlos Jobimの曲が2曲収録されています。

3月の雨(Águas de Março)とコルコバード(Corcovado)です。

2曲とも、Jobimが暮らしていた家の周りの光景が歌詞に含まれています。

CD添付のブックレットにも書いていますが、3月の雨はリオから車で約2時間のPoço Fundoの家で、コルコバードはVinicius de Moraes/Toquinhoの”Carta ao Tom 74"の冒頭にも出てくるリオ市内ナシメント・シウバ通り107のアパートで、それぞれJobimは作曲しました。

(ちなみにCarta ao Tom 74はCorcovadoのイントロで始まります。曲名をクリックするとYoutubeに飛びます。)

資料を探していたとき、Youtubeで「A Casa do Tom(トムの家)」という動画を見つけました。

2番目の奥さん、Ana Jobimが17年間撮りためていた映像をまとめた2007年制作のドキュメンタリー映画です。

Jobimが愛した3つの家が出てきます。Poço Fundoの家、NYの家、そしてRio de Janeiroの家です。

Corcovadoのアパートは最初の奥さんとの思い出の場所なので映画には出てきません。。。


DVDを取り寄せました。本もついていました。

Jobimの住環境への強い拘りが随所にみられ、私のアルバム「HOME」のコンセプトに共通する点を数多く見出しました。

Jobimや彼の曲を理解するための非常に重要なエッセンスがちりばめられているのですが、日本語字幕はないので少しずつ不定期にアトランダムでお伝えしていきたいと思います。

~冊子P12より~

"Tom era um obcecado pela arquitetura de morar, cuidava de cada detalhe, não dos detalhes do interior, mas da luz, da posição do sol, de dormir com a cabeça voltada para o Norte absoluto, da vista, da paisagem que gostava de comtemplar."

トムは住まいの建築に拘りを持ち細部に気を配っていた。インテリアの細部、ではなく、光や太陽の位置、真北に枕が向くよう眠れる位置(日本では北枕は縁起が悪いとされていますが。。。)、気に入った眺めや景色などに拘った。

Jobimは周囲の環境も含めて住まいに強い拘りをもっていたことが伺えます。

私も利便性より眺望を重視し、季節に応じて庇で調整できる南からの光を大事にしました。高台なので徒歩で通学する娘には大不評な場所ですが。。。

この地に越して10年目になります。 家族がみな様々なことに挑戦し続けられるのは、休息と集中を可能にするこの家のお陰だと思っています。 ”住”に重きを置いたジョビンには深い共感をおぼえます。 (No.2につづく)


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